2008年10月17日金曜日

六中観

 今日は、安岡正篤著、論語に学ぶ、PHP文庫から、六中観を部分的に引用してみよう。

 六中観

 「忙中、閑有り」、忙しい中に閑がある。閑は自ら見つけ出してゆくものです。

 「苦中、楽有り」、苦しい中に楽しみがある。本当の楽というものは、楽の中にあるのではなくて、苦の中にある。苦中の楽、これが真の楽というものです。

 「死中、活有り」、死の中に活きるということがある。うかうかと生きるのは本当に活きるのではない。死を観念する中に本当の生がある。死を通じて活を知り、活の中に死を見る。これが人生の本当の生き方でなければなりません。

 「壺中(こちゅう)、天有り」、壺の中に一つの世界がある。別天地がある。楽しみというものは、この現実の生活、この人生の中に発見されるものであって、決して別の世界にあるのではないということであります。

 「意中、人有り」、心の中に人がある。意中に人を持つということは難しい。けれども、これは大なり小なりわれわれにとって大変大切なことであります。

 「腹中、書有り」、腹中に書を持っておる。自分に哲学・信念を持っておるということです。

 この六中観は、安岡正泰監修、安岡正篤一日一言、致知出版社にも収録されております。

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