2011年9月14日水曜日

八ッ場ダム

八ッ場ダム(やんばダム)は利根川の主要な支流である吾妻川中流部、
群馬県吾妻郡長野原町川原湯地先に建設が進められている多目的ダム
である。

吾妻川流域の多目的ダム建設計画は、1949年(昭和24年)に経済安定本
部の諮問機関である治水調査会の答申に基づき建設省によって手掛けら
れた「利根川改訂改修計画」において、利根川に10箇所のダムを建設す
る利根川上流ダム群(後の「利根川水系8ダム」)計画に準拠しており、
カスリーン台風級の水害から首都・東京及び利根川流域を守るために
1952年(昭和27年)に計画発表された。

このダムが当初計画どおりに完成すると、名湯として全国的に名高い
川原湯温泉街を始め340世帯が完全に水没するほか、名勝で天然記念物
でもある吾妻峡の中間部に建設されるので、その半分以上が水没し、一
挙に観光資源が喪失することが心配された。

2009年8月30日に投開票が行われた第45回衆議院議員総選挙では、マニフ
ェストで「川辺川ダム、八ツ場ダムは中止。時代に合わない国の大型直轄
事業は全面的に見直す。」と掲げた民主党が308議席を得て衆議院第一党と
なったことを受け、国土交通省の谷口博昭事務次官は、9月3日午前に入札
を延期するよう発注者である関東地方整備局長に対して指示、ダム本体工
事の入札は新政権の大臣の判断・指示を待つ意向を明らかにした。

9月16日、鳩山由紀夫内閣が正式に発足、国土交通大臣に就任した前原誠司
は認証式後の就任会見において八ッ場ダムの事業中止を明言し、鳩山由紀夫
首相も翌17日の記者会見でこれを支持した。

国土交通省関東地方整備局が都内で開いた2011年9月13日の検討会には、
群馬県の大澤知事や千葉県の森田知事など、流域の1都5県の知事や副
知事も初めて参加した。

検討会では、利根川流域の「治水」と「利水」対策を、八ッ場ダムを建設する
場合と、建設せずにほかの方法で行う場合を、それぞれコストや実現可能性な
どを比較して検証する作業を去年10月から続けてきた。

これまでに、治水対策にかかる費用は、ダムを建設したほうがほかの案に比べ
て1000億円以上少ないといった個別の評価結果が出ていた。

国が定めた検証の評価基準では「コストを最重視する」となっていて、13日は、
これまでの個別の評価結果を総合的に評価した結果、八ッ場ダムを建設したほう
が、ほかの方法よりも優位性が高いという結論が示された。

参考資料
八ッ場ダム
八ッ場ダム評価“建設が優位”

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