青森ねぶた、または青森ねぶた祭とは青森県青森市で8月2~7日に開催される
夏祭りであり、毎年、延べ300万人以上の観光客が訪れる。 1980年には国の
重要無形民俗文化財に指定された。
毎年8月2~7日まで開催される。このうち8月2~6日が夜間運行である。7日は
昼間運行であるが、夜に海上運行と花火大会が催される。また、8月1日には
前夜祭が行われる。開催にかかる費用は、約2億2千万円。
ねぶたの運行に関して基本的な運営(ねぶたの隊列、山車の運行、囃子方)は
各出陣団体によって賄われる。それ以外の重要なファクターとしてねぶたを
ロープで引っ張る子供(現在は形式だけで実際に引く団体は稀)、ハネトが
ある。特にハネトに関しては正式な装束をまとってさえいればどの団体のね
ぶたに参加しても自由であり、観光客でも参加することができる。
祭りのメインである山車、ねぶたを作る制作者のことをねぶた師という。明治
時代ごろまでは、ねぶたが町内単位での運行であったため、有志が制作してい
たが、ねぶたを企業などが運行するようになると、次第に名の立つ制作者が注
文を受けるようになった。昭和時代になると、雑誌などで制作者のことを「ね
ぶた師」というようになる。2010年現在、ねぶた師は12人で、それぞれ作風が
異なるので、見ていて飽きない。
ねぶた本体・運行はねと・囃子の総合評価で最優秀のねぶた運営団体には「ね
ぶた大賞」が贈られる。
カラス族とはねぶた祭りで傍若無人な振る舞いをする者達である。彼らはハネト
の正式な衣装ではなく、黒装束などの衣装でねぶたに参加しそれがカラスのよう
に見えると言うことで「カラス族」または単に「カラス」と呼ばれるようになっ
た。 「カラスハネト」とも言われるが彼らの振るまいは祭りにそぐわないもので、
そもそも「ハネト」の名に値しないとして地元メディアでは「カラス族」として
表現されることが多い。徒歩暴走族の分類とされる。
カラス族は1986年あたりからねぶた祭りに現れ始めたといわれる。当初はそれほ
ど問題視されてはいなかったが平成に入ると暴走族などがグループの中心となる
ようになり、次第に悪質凶悪な集団となっていった。この問題はしばしばマスコ
ミ等で取り上げられたが、それがかえって全国からカラス族の集団を呼び集める
「逆効果」を引き起こすこととなった。青森市にとってねぶた祭りは貴重な観光
資源であり、祭りの安全かつ正常な運営は避けて通るわけにはいかない。そこで
青森市など主催者側はカラス族を監視、統制するためにカラス族を1か所にまとめ
てねぶたを運行するという対策を1996年に行った。しかしこの対策はカラス族を
肯定することとなり、逆にカラス族を増長させるという結果になった。
この危険な集団は2000年には1万人にも増え仲間同士の抗争、観客や警察への
暴行と凶行がエスカレートしもはや正常な祭りとは言えないような状況に
なった。
そこで主催者側は2001年、ねぶたの一斉スタート、一斉終了という作戦を導入し
た。同年、県も迷惑行為等防止条例を施行し事件にならなければ手が出せなかっ
た警察も事件が起きる前に摘発、排除できるようにした。結果、祭りとしては盛
り上がりに欠けるものになったがカラス族対策には効果があり事件の件数は激減
した。
参考資料
青森ねぶた
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