NHK ニュースより
津波の危険 ことし2月文書に
5月6日 17時54分
東日本大震災が起きる前のことし2月、政府の地震調査委員会が、1100年余り前
に東北の太平洋沿岸で起きた地震の研究成果に基づいて、巨大津波の危険性を指摘す
る文書をまとめ、公表する予定だったことが、NHKの取材で分かりました。
検討に関わった専門家は「危険性の評価や公表を急ぐべきだった」と話しています。
この文書は、最新の研究成果に基づいて、従来の評価を見直し、1140年余り前に
大津波を引き起こしたとされる「貞観(じょうがん)地震」について初めて記述して
います。それによりますと、「貞観地震」は三陸沖の一部と宮城県沖、それに福島県
沖の少なくとも3つの海域で連動して発生したマグニチュード8.3程度の巨大地震
だったと推定され、宮城県と福島県の広い範囲が津波で浸水していたと分析していま
す。そのうえで、宮城県沖と福島県沖では、今後も「巨大津波を伴う地震に留意する
必要がある」として津波の危険性を指摘しています。
地震調査委員会は、来週以降に行われる会合で、今回の巨大地震の震源付近で起きる
地震や津波について、これまでの評価の方法を含めて改めて見直すことにしています。
文書の検討をした部会の委員で、東京大学地震研究所の都司嘉宣准教授は「巨大地震
が発生する確率は低くても、可能性が分かった時点で注意を喚起するべきだったと痛
切に感じている。今後は、各地の対策に生かすために過去の地震や津波をさらに解明
し、評価に反映させることを急がなければならない」と話しています。
Wikipedia より
貞観地震(じょうがんじしん)は、貞観11年5月26日(ユリウス暦869年7月9日)に陸
奥国東方の海底を震源として発生した巨大地震である。地震の規模は少なくともM8.3
以上であったと推定されている。現在の地名では、東北地方の東の三陸沖と呼ばれる
海域にある太平洋の海底が震源とされ、地震に伴う津波の被害も甚大であったことが
知られている。
東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センターらの研究では、仙台平野に過去
3000年間に3回の津波が溯上した証拠が堆積物の年代調査から得られ、間隔は800年
から1100年と推定されている。
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